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実は緻密に作られていたあの音

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3.11以降のテレビ放送で多く耳にするようになった、あのハッとさせられるチャイム音。

緊急地震速報。

一瞬にして体に緊張感が走る独特な響き。あのチャイム音はいったいどのように作られたのか?

『ゴジラ音楽と緊急地震速報 ~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~』
筒井伸介・著/伊福部達・監修 ヤマハミュージックメディア・出版

という本を、いま通勤電車で読んでいます。

チャイム音の生みの親は、監修を務めている伊福部達氏。失われたり衰えたりした感覚や手足や脳の機能を 機械によって補助・代行する工学分野『福祉工学』の研究者で、北海道大学名誉教授、東京大学名誉教授、 東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員。

なんとなく音楽分野の専門家による仕事のようなイメージを持ちましたが、違いました。

2007年にNHKから製作依頼を受けた伊福部教授は、様々な研究データを基に

1)注意を喚起させ
2)行動を促すことができ
3)既存の警報音・チャイムと異なり
4)極度に不快でも快適でもなく、明るくも暗くもなく
5)できるだけ多くの聴覚障害者にも聴こえる

チャイム音を追求。試行錯誤の末に、叔父で作曲家の伊福部昭氏(※)によって書かれた交響曲の一節をヒント にあのチャイム音を完成させます。(※ 『ゴジラ』ほか、多くの映画音楽を手がけたことでも知られる)

・・・とザックリな内容ですが、本の中では、聴覚の仕組みや様々な研究データなどが紹介されており、なぜ
チャイム音の製作に『福祉工学』という考え方が必要だったのか、また完成に至るプロセスが良く解かる
一冊となっています。

生活の一部を支える未知の学問分野。他にも沢山ありそうな気がします。