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【きょうのIPPON!】「『くすり』のことには一切触れない、製薬会社のCM」

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新規オンエアCMの中から、選りすぐりの1本を調査員の独断と偏見で選出。

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■大鵬薬品/企業
■タイトル/「ありがとう」篇

がん告知を受けた夫と、その家族を取り巻く物語。不安を隠せずいらいらしてしまい、自分で自分を制御できなくなりそうな夫。そんな中、これまでと変わりなく自分に接してくれている妻へ、素直に感謝の気持ちが伝えられずにいます。

『あまちゃん』でゴーストバスターズを陽気に歌う駅長役とは180度真逆の抑えた演技で、がん患者という難しい役どころを杉本哲太さん、献身的な妻役を瀬戸朝香さんがそれぞれ好演しています。

   ▼「ありがとう」篇|大鵬薬品工業株式会社
   www.taiho.co.jp/ad/corporation.html#thanks

先日ある番組で、医師の方がこんな話をされていました。
「自分の人生観とか行動がまったく変わってしまう病気がひとつだけある、それが『がん』。『もしそこでタバコ止めれば何とかなるよ』とか『食事を変えれば何とかなるよ』と言えば、ガラッと変えられる。人間は『死ぬ』と思った瞬間に自分の生活から何から、変えていくことが出来る」、と。
(東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長・川嶋朗氏|2013/7/31 EX「ワイド!スクランブル」より)

そしてこの広告のホームページには、こうも書かれています。

   がん治療でいちばん長いのは、
   家族と過ごす時間です。

   心も弱りやすい病気だから

   心を治す、家族という薬が必要です。

   「する」ことがなくても、

   「いる」ことが支えになるのが家族です。

   一人にしてあげることも、

   家族だからできることです。

   家族でも知らないことが多いから

   支え合うために、話し合うことが大切です。

   真剣に思うほどぶつかってしまう、

   家族のケンカは、思いやりの証拠です。

   いちばん近くにいる家族だから、

   いちばん多く「ありがとう」と言ってください。


見ていただいてお気付きでしょうがこのCM、製薬会社のCMなのに「くすり」のことについては一切触れていません。だからなのか、CMというよりは、あたかも短いヒューマンドラマを見ているような気さえ起こします。
製薬会社といえども、最後の砦となるのは『くすりのチカラ』じゃなく、人間が持つ『愛のチカラ』には敵わない、ということでしょうか。きっとこの家族も夫に巡ってきた「がん」という事象がなければ、ここまで互いを思いあう気持ちを育むことはできなかったでしょう。だとすると、この「がん」という大きな病に対しても、完治しようがしまいが、この家族はいつしか感謝できるようになるのかもしれません。
家族との向き合い方を考えさせられるIPPON!でした。